心が疲れた日にまずやるべき3つのこと|理学療法士の私が実践しているセルフケア
はじめに
- いつも受け流せる心ない言葉が気になってしまい、落ち込んでしまう
- 過去の嫌な思い出がフラッシュバックしてきてしまう
このような経験ありませんか?
普段我慢している人ほど「あるある」となると思います。
正直にお話しすると、私自身も感情を抑え込んでしまう性格です。
医療現場では、感情を表に出さずに仕事をすることが多い。患者さんの前では穏やかに、家族には共感的に、同僚には弱音を吐かずに——そうやって毎日を過ごしています。
家に帰っても、家族に弱音を吐くのが苦手です。「大丈夫?」と聞かれると、つい「大丈夫」と答えてしまう。
でも、そうやって抑え込んでいると、ある日突然、何でもない場面で涙が止まらなくなったり、些細なことで怒りが溢れたりすることがあります。
これは、私が理学療法士として現場で働きながら、自分自身の心と向き合ってきた中で気づいたことです。
感情を抑え込む人ほど、”意図的に発散する場”を持っておく必要がある。
この記事では、私自身が心が疲れた日に実際にやっている3つのことを紹介します。理屈で組み立てた方法ではなく、現場で働く一人の医療従事者として、実体験から「これが効く」と感じている方法です。
ここで紹介するのは、
- 心が疲れた日に効く3つの実践
- それぞれに専門的な裏付け
- 自分なりの”発散パターン”を持つことの大切さ
について。読み終わる頃には、今夜から試せる具体的な行動が見つかっているはずです。
なぜ”特別なケア”が必要なのか
医療従事者の心は、放っておくと回復しません。
理由はシンプルで、業務中ずっと感情を入れているからです。
- 患者さんの不安を受け止める
- 家族の悲しみに寄り添う
- 同僚の愚痴を聞く
- 自分の感情は飲み込む
一日働き終えた時、心の中はあらゆる感情でパンパンになっています。それを処理する時間を作らないまま家に帰り、テレビを見ながらスマホをいじって眠る——これでは、心は回復しないんです。
「何もしない休息」だけでは足りない。意図的に発散する時間を作って、初めて心は元の状態に戻っていきます。
特に、私のように感情を抑え込みやすい性格の人は、この「意図的な発散」がないと、抑え込んだものが内側で蓄積して、ある日突然あふれ出ます。
だからこそ、自分なりの「これをやれば回復する」という方法を、ひとつでも多く持っておくことが大事なんです。
実践1:思いっきり歌う・泣く(感情の発散)
私が一番効くと感じているのが、これです。
カラオケ、車の中、家でひとりの時——誰にも聞かれない場所で、思いっきり声を出す。
歌でなくてもいいんです。感動する映画を見て、声を上げて泣く。これも同じくらい効きます。
私自身、感情が溢れそうになった時、わざと泣ける映画やYouTube動画を見ます。「あ、これは泣いていいやつだ」と脳に許可を出して、思いっきり泣く。
不思議なことに、泣き終わった後には心が軽くなっているんです。
なぜ歌う・泣くが効くのか
これには、ちゃんとした生理学的な理由があります。
- 大きな声を出すことで、副交感神経が刺激される
- 涙にはストレスホルモン(コルチゾール)を排出する作用がある
- 感情を「出す」ことで、抑え込んだエネルギーが解放される
医療従事者の現場は、感情を「入れる」ばかりです。だからこそ、意図的に「出す」場を作ることが、心の回復に必要なんです。
今日からできる方法
- 通勤中の車内で、好きな曲を大声で歌う
- 帰宅後、5分だけ感動系のYouTubeを見て泣く
- お風呂で歌う(防音にもなって、声を出しやすい)
「ひとりになれる場所で、声を出す」——これだけで、心の重さは変わります。
実践2:お風呂にゆっくり入る(体を緩める)
シャワーで済まさず、湯船に浸かる。
これだけで、心の状態は変わります。私自身、嫌なことがあった日や心がざわついている日は、意識的にお風呂の時間を長くします。
理学療法士として、「体が緩むと、心も緩む」というのは現場で何度も実感してきました。逆に、心が疲れている人の体は、必ずどこかに緊張があります。
お風呂は、体を緩めることで、心も一緒に緩めてくれる。しかも、ひとりになれる。これが大きい。
なぜお風呂が効くのか
これも、理学療法士的に説明できる根拠があります。
- 体を温めると、副交感神経が優位になる
- 浮力で筋肉の緊張が解ける
- 「ひとりになれる時間」が物理的に確保できる
- 「区切り」になる
今日からできる方法
- 湯温は40〜41度、15分以上(熱すぎると交感神経が優位になるので注意)
- スマホは持ち込まない(これが一番大事)
- 入浴剤や好きな香りで五感を満たす
- 何も考えず、ただぼーっとする時間にする
「忙しいから」とシャワーで済ませている日が続いているなら、それは心が回復しにくい状態を自分で作っているのかもしれません。週に2〜3回でいいので、ゆっくりお風呂に入る日を意識的に作ってみてください。
実践3:美味しいものを食べる(快を取り戻す)
心が疲れている時、食事が義務になっていませんか?
「とりあえずコンビニ」「冷蔵庫の残りもの」「お腹を満たせばいい」——これでは、心は回復しません。
私自身、心が疲れている日は、意識的に「美味しいもの」を選ぶようにしています。コンビニで一番好きなスイーツを買う。少し奮発してテイクアウトする。家族と一緒にちょっと豪華な夕食にする。
特別に高級なものを食べる必要はないんです。「自分のために、美味しいものを選んだ」——この行為そのものに意味があります。
なぜ”美味しいもの”が効くのか
「美味しい」と感じることには、ちゃんと脳科学的な裏付けがあります。
- 「美味しい」と感じることで、脳の報酬系が活性化する
- セロトニン(幸せホルモン)の分泌が促される
- 「自分を大切にしている」という感覚を取り戻せる
心の章で何度も話してきた「自分を責めない」「自分を許す」というメッセージは、実際の行動レベルでも実践できるんです。「自分のために美味しいものを選ぶ」は、その小さな実践です。
今日からできる方法
- いつもより少しだけ予算を上げる(普段500円→今日は800円、くらいで十分)
- “義務の食事”ではなく“楽しみの食事”を意識する
- 食べる時間を「儀式」にする(スマホを置く、テレビを消す、味わって食べる)
- 一人で食べる時こそ、丁寧に
「自分への小さなご褒美」を、心が疲れた日のルーティンにしてみてください。
大切なこと:”自分の発散パターン”を知っておく
ここまで、私が実践している3つを紹介しましたが、本当に大事なのは、
「私はこの3つ」ではなく、
「あなたにとっての発散パターンを持っておく」
ということです。
歌うのが苦手な人もいる。お風呂より散歩派の人もいる。食事より運動で発散する人もいる。何が自分を回復させるかは、人それぞれ違います。
でも、感情を抑え込みやすい人ほど、
- 自分が何で回復するかを知っておく
- その方法を意識的に実行する
この2つが必要です。
ぜひこの機会に、自分なりの3つを考えてみてください。手帳やスマホのメモに書き留めておくと、いざ心が疲れた時にすぐ実行できます。
ただし、それでも対処しきれない日があります
ここまで紹介した3つは、汎用的に心が疲れた日の対処です。
でも、医療従事者には、これだけでは足りない日があります。
- 患者さんを亡くした日
- 理不尽に怒られた日
- 後輩・部下との関係で疲れた日
- 連勤でメンタルが削られている時期
- なぜか涙が出る日
- 何もしたくない日
こうした日は、状況に合わせた対処が必要になります。「歌って・お風呂・美味しいもの」では届かない、もっと深い疲れがあるからです。
私自身が現場で出会ってきた状況を10パターンに分け、それぞれの整え方をまとめた有料noteを現在準備中です。公開時には、ブログでお知らせします。
それまでは、まずこの3つの基本を自分の習慣にしてみてください。それだけでも、心の状態はずいぶん変わるはずです。
おわりに
心の章では、これまでこんなメッセージを伝えてきました。
- 核①:あなたが弱いんじゃない、構造の問題です
- 核②:無理にポジティブにならなくていい
- 核③:自分の心のサインに気づこう
- 実践記事(この記事):心が疲れた日に、自分のための3つを
すべてに共通するのは、「自分を責めずに、自分を大切にする」というメッセージです。
「自分のため」という時間を、意図的に作る。これは、わがままでも甘えでもありません。感情労働の最前線で働く医療従事者にとって、必要不可欠なセルフケアです。
今日、お風呂に少しゆっくり入ってみませんか?
帰り道に、いつもより少し美味しそうなものを買ってみませんか?
車の中で、好きな曲を大きな声で歌ってみませんか?
それだけでも、明日の自分は少し軽くなっているはずです。
↓前の記事「あなたの心、削れていませんか?10のサイン」を読む

↓「無理にポジティブにならなくていい理由」を読む

↓ 前の記事「頑張りすぎる医療従事者ほど心が削れる理由」を読む

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→ 心療内科
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→ 精神科
・身体症状が強い(動悸・めまい・頭痛など)
→ 心療内科(身体症状を扱える)
【状況別で選ぶ】
・仕事に関わる不調
→ 産業医・産業保健師(職場経由)
・緊急性があると感じる
→ 精神科救急(各都道府県の窓口)
→ 厚生労働省「まもろうよ こころ」
迷ったら、まず心療内科で相談するのが入口として安心です。
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「医療従事者だから」と一人で抱え込まず、
あなた自身がケアを受ける番です。
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📌 この記事について
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この記事は、理学療法士 + メンタルヘルス・マネジメント検定
III種(セルフケアコース)を取得した著者が、
一般的な情報提供を目的として執筆しています。
医療診断・治療を目的としたものではありません。
つらい症状が続く場合や、ご自身で判断が難しい場合は、
医療機関(心療内科・精神科など)へご相談ください。
