「辞めたいのに辞められない」医療従事者へ|消耗しない働き方の順番
く~るかも働き方で苦しんでました
新人〜若手の頃の私は「定時はただの区切り、自分の仕事を終えたときが仕事の終わり」と本気で思っていました。
あまり要領のいいほうではないため、定時に仕事は終わらず、後輩の相談にのったり、あとあと怒られないようにするために先輩にアドバイスをもらったりすることに時間を費やし、ふと外を見ると真っ暗…そんな日が毎日でした。
夜にトボトボと体を引きずりながら帰り、家につくと何もできずに最低限のやることをしてあとは寝る…そんな繰り返しで消耗していき、
「いつになったらこの日々は楽になるんだろう?すぐにでも逃げたいな…」

と思うようになりました。
辞めたい。でも、辞められない。あのとき私を縛っていたものの正体が、今ならはっきり分かります。それは「我慢が足りない」からではありませんでした。
この記事では、医療従事者の働き方が消耗しやすい理由や、「働き方の章」で整えるべき時間、スキルの効率化とお金についてお伝えしていきます。
この記事とあなたの日々の仕事と照らし合わせながらぜひ振り返ってみてください。
「辞められなさ」をつくる、3つの構造
辞めたいのに動けない自分を、「根性がないからだ」と責めてしまう人は少なくありません。けれど、医療従事者が今の職場で消耗し続けてしまう背景には、もっと根の深い構造があります。大きく3つに分けて見ていきましょう。
① 裁量の少なさ
シフト、担当、業務の進め方。医療現場は、自分でコントロールできる範囲がそもそも狭く設計されています。
人と関わる仕事ですので、患者さん、利用者さん基準で1日が決められますよね。
「自分で決められない」状態が続くと、人の気力は少しずつ削られていく。これは性格の問題ではなく、環境の問題です。
② 際限のない業務
記録、委員会、勉強会、後輩指導。患者さんに向き合う本来の仕事の外側に、終わりの見えないタスクが積み上がっていきます。
今日、今週、今月を乗り切ってもまた明日、来週、来月もやらなければならない。この「区切りのなさ」が、心の休まる瞬間を奪っていくのです。
③ お金の不安
そして、いちばん見えにくいのがこれ。「辞めたら生活はどうなるんだろう」という不安があるかぎり、人は無理な働き方を手放せません。
私たちの仕事は収入面に思うところはあるものの安定はしています。
「生活はできるけど余裕が少ないから続けないと…」
お金の心配が、辞めるという選択肢そのものを心の奥へ閉じ込めてしまう。辞められなさの根っこには、たいていお金の不安が横たわっています。
この3つは、どれか一つだけが働いているわけではなく、互いに絡み合って「辞められなさ」をつくり出します。だからこそ、ほどくにも順番がいるのです。
でも、いきなり辞めなくていい
ここで一つ、はっきり伝えておきたいことがあります。
「辞めたい」と感じること自体は、何も悪くありません。

むしろ、自分の限界にちゃんと気づけているサインです。だから、もし今あなたが転職を考えているなら、その気持ちを否定するつもりは私にはまったくありません。
そのうえで、私自身の経験から思うこと。それは——今の状況を変えるための順番を間違えないほうがいい、ということです。
消耗しきった状態のまま大きな決断をすると、選択肢が「今すぐ逃げ出せるかどうか」だけに狭まりがちです。体も心もすり減った状態では、目の前のしんどさから離れることが最優先になり、「本当はどう働きたいか」を考える余裕までは残りません。現状から離れるためにとりあえず決めた転職先がよりあなたを追い詰めるものになるかもしれない。
私も、転職ではないですが“転属”で似た失敗をしています。
新しくできる部門のリハビリスタッフを募集していて、現状から脱出したい一心の私は、何も考えずに希望を出したんです。
結果、朝も夕も残業が増え、ギリギリの人数で回していたので、欠員が出れば休日にも呼び出される……。
それが転職を考えるきっかけになったのは、また別の話ですが(笑)
だから私がこのブログでずっと大切にしているのは、こういう順番です。
まず、今の場所で体と心を整える。
視界が晴れて、見通しが立つ。
そのうえで、より良い環境を選ぶ。
転職は、決してなくしてはいけない選択肢です。ただ、それを「追い詰められて選ぶ最後の逃げ道」ではなく、「整えたうえで選び取る前向きな一手」にしたい。そのための土台づくりが、この章のテーマになります。
焦らなくて大丈夫。今いる場所のままでも、できることはちゃんとあります。
ただし、これだけは例外です
ここまで「いきなり辞めなくていい」と書いてきましたが、はっきりとした例外があります。
次のような環境にいるなら、整えるより先に、離れることを考えてください。
- 暴言・人格否定・無視などのパワハラを受けている
- 拘束時間や残業が、心身を壊すレベルで常軌を逸している
- 賃金の未払いなど、明らかに法を逸脱した扱いを受けている
- すでに眠れない・食べられないなど、心身に不調が出ている
こうした環境は、あなたが整えてどうにかできる問題ではありません。土台をつくる以前に、まず安全を確保することが最優先です。 我慢して立て直そうとするほど、消耗は深くなっていきます。
この場合の「逃げる」は、後ろ向きな選択ではありません。自分を守るための、いちばん前向きで正しい一手です。一人で抱え込まず、信頼できる人や公的な窓口(労働基準監督署、各都道府県の労働相談窓口など)に相談してください。
そのうえで、「危険なほどではないけれど、じわじわ削られている」という人に向けて、この章の話を続けます。
この章で整える、2つの層
では、何から手をつけるか。「働き方を整える」と言っても範囲が広いので、この章では大きく2つの層に分けて考えていきます。
内側の層|時間・タスク・スキル
まずは、日々の働き方そのものを軽くする部分。残業や持ち帰りを減らす時間の使い方、抱え込みをほどくタスクの手放し方、そして「もっと働くため」ではなく「削られないため」のスキルの使い方です。今日から少しずつ効いてくる、いわば手元の調整にあたります。
外側の層|お金
もう一つが、働き方を根っこで支えるお金の土台。といっても、増やして一発逆転、という話ではありません。固定費を見直す、生活の防衛になるお金を整える——「お金の不安を減らす」ことで、無理な働き方をしなくて済む“余白”をつくる。この余白こそが、いずれ「環境を選べる自分」につながっていきます。
内側で日々の消耗を減らしながら、外側でじわじわ土台を固める。この2層を並行して整えていくのが、この章の地図です。
私が「働き方の整え方」にたどり着くまで
く~るかが「ただがむしゃらに働くこと」が自分を消耗させると気づいたのは先ほどの“転属”がきっかけでした。
異動した部署はとにかく“なんでもやらないといけない”働き方でした。
限られた人数で新しい部署を回すため仕方がないんですが、本職のリハビリの他にも雑務、書類業務が増えたため時間の使い方を間違えると残業時間が増えてしまう…
そんなヘトヘトになって働いても収入には不安が残る…
どうにかしたい!
そう思っていろいろ調べてみると「目標を定めずに動くことの非効率さ」というものを知りました。
そこを意識することで、自分でコントロールできるところの仕事のスピードはかなり早くなりました!
ここでの「目標」とは、例えば仕事をはやく終わらせるためには今日1日をどう使うかということです。
- 朝にはこの書類を終わらせる
- この隙間時間で記録の文章を考えておく
といったことですね。
「え、そんなこと?」と思いますよね?でもその小さな時間の使い方の積み重ねが早く帰ることにつながります。
冒頭でも言いましたが、私は要領のいい方ではありません。それでも仕事を早く終わらせることができました。
また、お金の面でも目標を持つこと、貯めるための手段を学ぶことで「こうして貯めればいいのか」という確信を持ち、漠然とした不安を消すことで「自分は今の状況に縛られることはないんだ」と思えるようになりました。
この内側(時間とタスクのスキル)、外側(お金)、どちらも目標を持つことの大切さ、この章であなたに知ってほしい。
働き方の章ではあなたの日々の仕事を「余裕のある状態」で終わらせるということを目指していきます。
まとめ
辞めたいのに辞められない。その感覚は、あなたの弱さのせいではありません。
裁量の少なさ、際限のない業務、そしてお金の不安——絡み合った構造が、あなたをその場所に縛りつけているだけです。
だとしたら、やることはシンプル。ひとつずつ、構造をほどいていけばいいのです。
危険な環境なら、迷わず離れる。そうでないなら、今の場所のまま、内側(時間・タスク・スキル)と外側(お金)の2層を整えていく。その先に、「追い詰められて逃げる」のではなく「整えたうえで選び取る」という未来が待っています。
次の記事では、まず内側の層から。日々いちばん削られやすい「時間とタスク」を、どうほどいていくかを具体的に見ていきます。
次に読む ▶︎ 核②|時間・タスク・スキル——削られないための“効率化”(準備中)
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